昨年の年度代表馬・モーリス。今年の天皇賞秋の1番人気の最有力候補だが、アタマで予想するには少々心許ない部分もある。今回はモーリスの天皇賞秋における不安要素をいくつか挙げたいと思う。
モーリスの天皇賞秋における3つの不安要素
【1.】距離の不安
これまで1600m?1800mを主戦場としてきたモーリス。ベストな距離はマイルであることは明らかで、今回は2000mの距離を克服できるかどうかがポイントとなる。2000m以上のレースの走ったのは過去に2回。
2014/5/10 京都新聞杯(G2)京都・芝2200m→7着
2016/8/21 札幌記念(G2)札幌・芝2000m→2着
前走の札幌記念が京都新聞杯以来、実に2年3ヶ月ぶりとなる2000m以上のレースであった。札幌記念では後ろで折り合って最期の直線に賭けるも、届かずの2着だった。1戦目の京都新聞杯でも脚をためて最期追い込んでいくが、途中で沈んでいく内容であった。
陣営としてはマイル王の称号プラス、2000mのG1を手にすることが出来れば種牡馬としての価値は一気にあがるだろう。2000m路線はレベルが高い馬がゾロゾロいるし、マイル戦と同じようにはいかない。この距離では割引く必要がありそうだ。
【2.】東京コースの不安
モーリスがこれまで好走してきたのは主に右回りのコースとなる。今回天皇賞秋が行われるのは東京コースで左回りのコースとなる。モーリスの通算16戦のうち右回りが【8-1-1-3】で左回りが【1-1-0-1】となっている。左回りを走ったのはたったの3回のみで、この3回は全て東京競馬場だ。
基本的には京都や中山といった小回りのマイルを得意とする馬で、長い直線&左回りの東京はやはり不安。陣営からは「手前の関係で右回りの方が得意という感じがある」というコメントも今年出ている。
【3.】血統的な不安
血統的に見てもスクリーンヒーロー産駒は東京との相性はあまり良くない。重賞戦は38戦して僅か2勝。同じ左回りで直線の長い新潟競馬場との相性も悪く、こちらは重賞未勝利、79戦して僅か3勝。
2の競馬場とも最後の直線では上がりが速くなり易い競馬場だが、このデータから察するに、速い脚を長く使う競馬はスクリーンヒーロー産駒にとって最も苦手と結論付けても良いのかも知れない。