皆さんご存知キタサンブラックは、去年の天皇賞(春)の勝ち馬であり、去年の年度代表馬。今年初戦だったG1の大阪杯を完勝しており、今年も有力馬の1頭に数えられている馬だ。菊花賞と天皇賞(春)という長距離のG1を2勝もしていることからも長距離が得意で、一見すると今年も死角がないように感じるが、実は不安な点も存在している。
まず血統面での不安。母系にスプリンターのサクラバクシンオーが入っていることから、少し距離が長いように感じる。長距離G1で結果を残しているのは、決して掛かることがない気性の良さにより、無駄な体力を消費せずに走ることができているからで、本質は中距離馬ではないかとも感じられるのである。
実際にこれまで勝ったG1を見ても、中距離のジャパンカップや大阪杯は完勝といってもいい勝ち方なのに、一方長距離G1の菊花賞と天皇賞(春)は、どちらも僅差の勝利なのである。つまりこれまでは気性面と馬自体の能力によって長距離G1を勝っていただけであり、同じくらいの能力でキタサンブラックとは違い長距離の適性を持っている馬がいれば、負ける可能性があるということである。
もう一つが馬体重だ。前走の大阪杯では有馬記念からさらにプラス4kgの540kgで仕上がってきた。これまでで一番重く、見た目もかなり迫力ある馬格となっていた。2000mの阪神を走るにはいいかもしれないが、今回は3200mでこの時期高速馬場になりやすい淀の長丁場だ。昨年の覇者とは言え、昨年の524kgから16kgも増えている。ステイヤーと呼ぶにいささか馬格があり過ぎるのではないだろうか・・・。
2016/05/01 天皇賞春優勝時
2017/04/02 大阪杯優勝時
負けたとしても大崩れするような馬ではないが、アタマで予想するのは少々危険かもしれない。