2015年11月1日は秋の中距離王者決定戦「第152回天皇賞秋」が開催される。人気上位が予想される有力馬の1頭ラブリーデイ(牡5)は今年急成長の注目の競走馬だ。6月に阪神2000mで開催された鳴尾記念(G?)で勝利したのを皮切りに、続いて中2週で挑んだ宝塚記念(G?)では2200mの距離を克服してG?初制覇を達成した。休み明けの秋初戦は10月12日に京都で開催された京都大賞典(G?)に出走し、京都2400mの舞台で上がり3F32.3秒の鬼脚を発揮して差し切って優勝した。
実績的には申し分なく、G?初制覇を遂げた宝塚記念以来の実戦で文句のつけようの無い内容で制し、秋の天皇賞に大きな弾みをつけた。宝塚記念を優勝するまではG?を4戦するも一度も掲示板に乗ることがなかった馬だったが、ここへきて急成長を遂げている。今年破ったG?馬を挙げてみると、ロゴタイプ、キズナ、ハープスター、ゴールドシップ、ラキシスといった名だたる強者ばかりである。実績だけ見ても注目せざるを得ない馬であることがわかる。
さて、そんな有力馬のラブリーデイだが、不安要素が全く無いわけではない。以下に天皇賞秋出走における3つの不安要素を挙げてみたのでまずはご覧頂きたい。
1.疲れ
今年順調に良績を収めていっているが、今年はすでに7戦している。昨年の6月以降出走しているレースは全て重賞レースで、今年重賞を5勝挙げるという快挙を成し遂げている。素晴らしい成績には違いないが、さすがに使い詰めが心配される。休み明けの前走で上がり最速の脚を使い、中2勝でタフな東京の2000mをこなせるだろうか?
2.不振の京都大賞典組
2004年に京都大賞典で2着だったゼンノロブロイが天皇賞秋を優勝しているが、それ以来京都大賞典組は過去10年で馬券に絡んでいない。右回りの京都から左回りの東京へ変わることや、上がり勝負になりやすい京都に比べてスピードの持続性、スタミナなど、総合力が問われる東京での好走条件の違いなどが好走できない理由ではないだろうか。条件がガラリと変わる舞台でも力を発揮できるだろうか?
3.騎手の乗り替わり
前走・前々走でこの馬を勝利に導いた川田将雅騎手だが、騎乗停止中のため天皇賞秋では浜中俊騎手へ乗り替わりとなる。浜中騎手の東京芝2000mの重賞戦での勝利数は「0」である。京都・阪神では好走率が高いものの、東京ではイマイチ信頼度が低いという印象が否めない。2013年の皐月賞以来のコンビで、実に約2年6ヶ月ぶりに同馬の手綱を握ることとなるが十分にラブリーデイの力を引き出せることができるだろうか?
データ上の確率論でしかない部分もあるが、上記の不安要素からも”危険な人気馬”である可能性があるため、馬券検討は十分注意する必要がありそうだ。